「ハマブン句会」

 

「ハマブン句会」11月の特選俳句が決まりました!
芦野信司選
特選 冬瓜の鍋いつぱいに透きとほる
食べ物の句は美味しそうなのが何より。他の具材も入ってそろそろ煮あがる頃か。幸せいっぱいの鍋だ。
秀逸 小春日や大桟橋のクルーズ船
すっきりと気持ちの良い句。小春日を受けたクルーズ船が眩い。
跳ね炭や三年味噌の封を切る
パチパチと火が熾り鍋の湯が煮立ってきたのだろう。味噌の香る直前の炭の香が芳しい。
並選
冬ざれのファッションビルの賑わひて
「冬ざれ」は華やかなビルに似合わず、賑わいにも似合わない。だが、大気だけに着目すればまさしく冬ざれている。それが都会らしいリアリティ。
毛布出し母の薬のころがれり
お母さんは毛布に包まりながら薬も飲んでいたのであろう。そんな毛布には懐かしいお母さんの匂いも残っているはず。
折山正武選
特選 声高に九九の暗唱息白し
暗唱と白しの間に切れがきちんと入って句の姿形をよくしている。そして一個の詩になっている。季語も的確。ご自分の体験だろうか、写生だろうか。どちらにしても鮮やかなスナップショットだ。
秀逸 裸木のどこかあたたか父偲ぶ
日の当たる冬の枝にほのかな温かさを感じ、優しかった父を思い出している。言葉遣いもまとまっていて、読む方も温かくなる。言葉の流れも切れが入り心地よい。
神の留守阿吽の狛の牙尖る
出雲へ行ってしまった神様の留守を守る阿吽の狛犬。狛犬の牙に使命感が表れてる。面白いところに目が行っていて好感。
並選 オオタカの組み敷く下に土鳩の目
土鳩に哀れを感じているのだろうか。ドライな自然の営みを表しているのか。ドラマチックな場面ですが感情表現を避けているので採ります。
縄跳びの弧打つ地球の堅さかな
言葉の流れは読んで少しもたつくが、縄跳びの縄が弧を描いて地球を打つという着眼を評価。
星伸予選  

特選  神の留守阿吽の狛の牙尖る
 留守をしっかり守っている狛犬。牙尖るが魔物を寄せ付けまいという力強さを感じる。 忠誠、威嚇。なのに可愛らしくもある。
秀逸
   小春日や大桟橋のクルーズ船
    景がはっきり浮かびます。小春日から穏やかな海とわかり季語が生かされていると感じました。
   頬杖を出窓に預け帰り花
    中七がいいですね。ぼんやりと昔のいい思い出に浸っているのでしょうか。
並選
   声高に九九に暗唱息白し
    上五が効いていると思いました。数人の小学生が競うように大きな声を出しているのでしょうね。
   瓜実の母とぬりえや一葉忌
    一葉忌は11月23日。一葉も瓜実顔の美人さんでしたね。ぬりえがゆったりした時間を表しています。
荒井理沙選

特選 冬木立あはき日影をからめとる 
中七、下五のホッとするフレーズに凜冽とした木立との取り合わせは見事なテクニック。脱帽。
秀逸 潮騒のとぎれとぎれの歳の市   
雑踏の中の潮騒に磯の香りも感じ取れ五感を刺激された。
 冬瓜の鍋いつぱいに透きとほる     
  旨く煮えたぞと満足。主婦ならではの感覚。いや 飲んべえにも堪らない一句と言えよう。
並選 学校の裏門閉す鷹の森      
 廃校なのであろうか 何となく暗く重いイメージを「鷹の森」でガチッと〆を効かせた感。舞台が学校で成功。
 信楽の狸の笠や初時雨     
 不動な狸と笠に初時雨が見事にマッチ。「初」が頭に付いた季語の使いこなしは中々難しいと個人的に常に念頭に置いてる。

 

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