新・俳句の勘どころ  

 俳句は連歌の発句が独立したものです。多くの方がご存じでしょう。連歌は和歌の上の句(五七五)と下の句(七七)をいろいろルールがありますが連ねていくものです。発句はその最初の上の句(五七五)になります。従って連歌の一部分となれば下の句(七七)に続きます。
しかし俳句として独立してからは、五七五で完結します。そこで終わる。その17音のなかで一個の詩をつくるわけです。短歌の上の句になってはいけません。
では一個の詩になっているのか、それとも七七を期待させるのか、という感覚の違いは、個人個人の感性もありなかなか線を引きがたいこともあります。それを明確にしてくれるのが「切れ」です。前々回荒井さんが「切れ字」について解説してくれましたが、切れを入れることによって独立性が分かります。どうやったら切れを入れられるか。方法を3つ紹介します。前回の6-7月の投句者の句から例を引きます。
1.切れ字をいれる。代表的なものは「や」「かな」「けり」です。
  (例)香水の今ひとふりの今宵かな
     鳴き砂裸足で家出したことも
2.上五または下五に他の部分と離れた感覚の季語を置く。
  (例)徒跣ふろ場に続く古聞紙
     言い淀む別れの言葉夜の蟬
3.用言(活用語)を終止形で遣う。中七で遣うとはっきり切れます。
  (例)救急の音忽と消ゆ熱帯夜
     古地蔵の前掛け白し更衣
一方で、切れを入れなくても一個の詩にすることは出来ます。その場合は難しいですが、句が完結していると読み手に読んでもらえるようにすることが大事です。「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」芭蕉のあまりにも有名な生涯の終の句です。切れはありませんが、見事に一個の詩として完結しています。
まずは五七五と作って、17音で一個の詩となっているかどうか見定めてみましょう。不安であれば、1.2.3.を参考にして修正してみましょう。